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<速報>
  

JCTBF事務局

  
・・・・・・ 博覧会全体の概観 ・・・・・・

 2008年11月5日(水)~9日(日)、中国最大の農林水牧国際博覧会である「第15回中国楊凌農業ハイテク成果博覧会」が、古都西安にほど近い陝西省の楊凌にて開催された。

 今回博覧会のメインテーマは「ハイテク・産業化・現代化」となっており、昨年同様部門ごとに3つに分かれた会場において、それぞれ「農業ハイテクと成果」「農業実践技術と生産物」「農業機械」について展示された。
 第15回博覧会のメインイベント:中国~イスラエル協力週間
 農業機械を展示する2.5万平方メートルの屋外会場を含め、のべ1097もの展示ブースがひしめき合う大規模な会場には、中央政府の要人や一般農民を含め、中国国内の農林水牧関係の専門家や海外からも27の国及び地域の多くの来場者がつめかけ、会場は大きな熱気に包まれた。

 中国農業省、中国科学技術省、中国商務省、中国教育省、中国水利省、中国科学院、国家知的財産局等17の中央省庁の共同主催により開幕された同博覧会だが、5日間の開催期間中に契約・商談・取引された金額は217億元(約3250億円)にのぼったという。

・・・・・・ 多彩な展示内容のほか、多様なフォーラムも ・・・・・・

 期間中、1000余りの関係団体や企業などから5700件の技術成果やプロジェクトなどが出展された。その内容は、中国国内農業における農産物と生産工程、種子や果実、農業機械に関する展示に加え、田園観光業、農業情報技術、付加価値農産品、さらにイスラエル、カナダ、オーストラリア、タイ等の「国家的農業」に関する展示も含むことを特徴としている。
博覧会期間中、特別記念コンサートの開催も

 海外からの参加国は、その他にも韓国、フランス、シンガポール、ベルギー、オーストリア、イタリア、インド、エジプト、ドイツ、オランダ、トルコ、デンマーク、台湾、香港、日本と幅広く、同博覧会及び中国の巨大な農業市場に対する世界的な関心度の高さがうかがえる。

 また、楊凌農業ハイテク成果博覧会は国際シンポジウムを併催しており、過去においても「一村一品」(一村に一つのブランド)、「中国―カナダ農業技術革新協力週間」、「中国―オーストラリア協力週間」などをテーマとして毎年開催されてきたが、今回の博覧会では「中国―イスラエル農業協力週間」を設け、「楊凌国際農業協力フォーラム」「楊凌国際農業技術フォーラム」などの記念フォーラムの他、中国―イスラエル農業協力特別展示、中国―イスラエル農業協力プロジェクト促進などの多彩なプログラムが実施された。

・・・・・・ 日本からの出展ブースにも、各方面からの来場者が注目 ・・・・・・

 日本からの出展ブースは、「国際協力展示エリア」内、イスラエルの展示にほど近く、カナダの展示の隣という位置に設置された。現地組織委員会との共催により、日中テクノビジネスフォーラム(JCTBF)が企画・主催し、Digital New Deal(DND)研究所等が後援した、「環境にやさしく、安全な日本のバイオ農業、農業イノベーションの一角」と題された日本展示パネルの前には、予想を超えた数の人々が押し寄せていた。

日本ブース~パネル展示の一角

 日本ブースでは、具体的には、日本の農林水産省主催の「アグリビジネス創出フェア」や、日本「イノベーション・ジャパン大学見本市」、「北海道バイオ産業クラスター・フォーラム」の動向紹介パネルを始めとし、株式会社ニッポーの「超音波加湿器」、株式会社K&Kの「生ゴミ堆肥化による循環型農業」、株式会社エア・ブラウンの残留農薬検査キット「AGRI STICK」、楊凌国家農業ハイテク産業モデルゾーンの視察団一行が来日の際見学された新世代農業情報発信基地「PASONA O2」などがパネルで紹介された。さらに、DND研究所が運営する「Digital New Deal」や、日中テクノビジネスフォーラムのもとで運営されている日本から中国への情報発信サイト「東京博客(Tokyo Blog)」の紹介がなされ、それぞれ来場者の注目を集めていた。

 また、パネル展示と併せ、『出展は難しいが中国の博覧会で是非アピールしたい』という企業や団体のために、日本からの各種パンフレットを展示配布する「パンフレット出展」コーナーが設けられていた。このコーナーでは、科学技術振興機構(JST)の紹介資料のほか、有限会社G&Fコーポレーションの「無動力節水灌水装置」や、株式会社ハマネツの「高濃度・大流量・低価格 循環式オゾン水生成装置」、株式会社エア・ブラウンの残留農薬試験検査キット「AGRI STICK」などのパンフレットが置かれていた。これらは関連企業の専門家などの多くの方々の関心を得ており、パンフレットを求める声が絶えなかった。中でも、実物展示のあった「AGRI STICK」と並んで、特に「無動力節水灌水装置」のパンフレットに人気が集まっていたのが印象的であった。
 
 昨今の残留農薬問題や環境・省エネ問題が中国の現場においても切実なものであり、決して現状に甘んじているのではなく、さまざまな打開策・イノベーションを求めているのだ、ということが強く実感された。

・・・・・・ 日中間の意見交換座談会、最新動向の情報交換に熱心 ・・・・・・

 11月6日午前には、楊凌国家農業ハイテク産業モデルゾーン管理庁舎の一室で、日中間の意見交換座談会が開催された。
 席上、日本側からは、まずJST北京事務所の天野副所長が同機構の紹介や実際に進められている日中間の関連事業を紹介した。次に技術経営創研取締役の藤田技術統括部長が2008年度のアグリビジネス創出フェアの概要や感想、および想定される日中交流案などを紹介し、最後にJCTBFの張首席代表が日本関係者からの同博覧会への質問や期待、及び個人的提言などについて情報提供された。 
左から、程局長、孫局長、賈主任、孫局長補佐
 その後、中国側からは、まず同モデルゾーン管理委員会委員長補佐・展覧局の孫局長が第15回に当たる今年の博覧会の特徴や概要について説明し、次に同管理委員会科学技術局の程局長が今年9月に策定された「楊凌現代農業モデルパーク綱要」について紹介した。また、同管理委員会招商局の賈主任からは、直近の外資誘致に関連する最新の資料が提示された。


 双方のプレゼンテーションの後は活発な意見交換がなされ、中国楊凌側から日本の農業技術等に対しての熱い期待が語られた。また、楊凌国家農業ハイテク産業モデルゾーンの現状とビジョンを示すものとしての「楊凌現代農業モデルパーク」模型の前でも、程局長は引き続き同パークの現状と将来構想について力強く説明され、日本関係者一同は興味深く意見を伺った。

 4日夕方、西安市内にて行われた歓迎レセプションの席上、同モデルゾーン管理委員会張副委員長が日本関係者一同に対して提起された話題の本意をより理解できた気がする。
張副委員長

・・・・・・ 付記 ・・・・・・

 以上、第15回中国楊凌農業ハイテク成果博覧会及び日中間意見交換座談会の速報をお送りした。上記内容の詳細情報は今後、本サイトにて提供されるということなので、ご関心を持たれた方はあらためて本サイトにお越し頂けると幸いである。


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