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ビジネスモデル「探険」談 By 張 輝 | ||
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第8回 「立教DBAジャーナル」第2号と拙稿の構成 |
2012年2月28日、立教大学大学院独立研究科の一つにあたるビジネスデザイン研究科の「立教DBAジャーナル」第2号が発行された。これは同研究科の教員及び博士後期課程に在籍する社会人大学院生が執筆する研究誌である。 第1回で触れたように、立教大学大学院独立研究科は「伝統的な学問分野にとらわれず、学際的な研究を行う場」とされており、その中で「ビジネスデザイン研究科」は「ビジネスの構想力と戦略的思考を育成・開発するMBAコース」と位置づけられている。ここでも毎年、「真のゼネラリスト」になろうと目指す多彩でユニークな社会人との出会いが続いている。 第2号は、3篇の依頼論文と2篇のレフリー論文「研究ノート」で構成されており、論文は「トレードオフ理論とペッキングオーダーの関連性」(亀川氏)、「ビジネスモデルの定義及び構造化に関する序説的考察」(筆者)、及び「東日本大震災は日本の不動産市場に影響を与えているか」(久恒氏)であり、研究ノートは「わが国機械産業におけるオーナー系企業」(澁澤氏)と、「セットメーカーにおけるソフトウェア開発戦略」(米岡氏)である。 同研究科委員長の亀川教授は「第2号の発刊にあたって」の中で次のよう述べられている。 「東日本の被災、異常な円高、タイの洪水被害など、想定外の事象が次々に起きている。想定外とは何か。人間は、ある種の想定のもとに考え、行動する。認識目的と認識対象を決めることで人間として生きることができる。それゆえ、科学の対象も、目的を明確にすることからはじまる。しかし、一度、観察する範囲を決めると、我々の視野は狭まり、本来の目的を見失いがちである。」 |
筆者は「ビジネスモデルの定義及び構造化に関する序説的考察」という小文を寄稿し、「はじめに」の部分で以下のように述べている。 「近年、日本においては,ビジネスモデルへの関心が高まり続ける一方、ビジネスモデル論に関する多様な考え方が収斂されうる通説はなく、時に難解さを招かないかと思われるような状況も見える。今日のネットワーク化、デジタル化、グローバル化が一層進行する中で、新規事業の開発や既存事業の再編などに不可欠と目されるビジネスモデルは、今後もより一層追求されることになるであろう。しかし、かような状況下では、ビジネスモデルに関する理論的な検討の深化や実務的な提案の展開に資するとは限らない。 そこで、本稿では、まず、1.で『ビジネスモデルを巡る議論の問題点』を提起し、次に、2.で『ビジネスモデルの定義及び構造』に関する主な先行研究の状況を整理し、続けて、3.で整理した先行研究に対する筆者のコメントをする。そして、4.で実学的な観点から『ビジネスモデルの検討に関する一私見』を述べる。最後に、ビジネスモデルに関する今後の研究課題等に触れて、本稿を結ぶことにする。」 筆者はこの寄稿で、特に「ビジネスモデルに関する研究の実学的なアプローチがより求められる時代になってきている」と指摘し、「直近までの多様な考え方やアプローチ、また異なる時代背景や論述文脈から提示された主な諸説の現状を整理し、より生産的なビジネスモデル論の形成に資すること」を目的に、「事業化構想の創造的検討に資する意義」「顧客価値の創出に繋げるデザイン思考」「活きるビジネスモデルの構造化の視点」に関し、いままでの関連実務も踏まえながら、「形式知」(未熟ではあるが)を述べている。 さらに、「ビジネスモデルの構造を論述する先行研究の意義を否定する意味はわずかもないが、普遍性を持つビジネスモデルの『構造論』を追求するというよりは、多様性を持つビジネスモデルの『構造化』に光を当てたほうが実学的に有益であるように考える」と述べた。 詳細は拙稿をご参照いただければと思うが、ご関心を持たれる方々には、ご連絡頂ければ拙稿(PDFファイル)を提供いたしたい。皆様から遠慮なくご指摘やご批判、コメント等を、お寄せ頂ければ幸いである。 |
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