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ビジネスモデル「探険」談 By 張 輝 | ||
>> 連載目次 |
第7回 生活産業でアジアへ躍進、その知られざる「物語」 |
2012年3月31日、東京大学にて、2012年ビジネスモデル学会春季大会が開催される予定となっており、テーマは「生活産業のアジア展開」である。大会趣旨は、以下の通りとなっている。 「2011年は、東日本大震災、超円高、欧州債務危機など、大規模な災害や変化に見舞われた年であった。また、目覚ましい技術の進歩によって企業は前例のないほど多彩な製品を生み出す一方、製品のコモディティー化が進み、価格戦争は熾烈を極めている。こうした状況の中で、製品の優位性だけではなく、製品とサービスの一体化や複合化、とりわけサービスに軸足を置いた事業展開の重要性やビジネスモデルの変革と、熱を帯びるアジアが益々注目される。 そこで、飲料、化粧品、住宅、医療、コンテンツ、消費財などといった生活産業は新たな活路をアジアに求め、日本発のサービス・イノベーションによる価値創造に力強く取り組んでいる。中国、インド、ベトナムなどの成長パワーを日本の成長戦略に取り入れるため、またアジア全体の成長に求められる日本企業の可能性やビジネスモデルのあり方を見出すため、政府、リーダー企業、学識者など産学官からの関係者が一堂に会し最新動向を共有する。」 たまたま筆者は同大会の実行委員長を拝命している立場で、基調講演者や特別講演者の方々を訪問し、ご講演していただくテーマの趣旨等について打合わせさせて頂いた。講演要旨は後日学会公式サイトに掲載予定であるが、現時点で確定した講演者の方々についてこちらでも簡単に紹介しよう。 |
ビジネスモデル学会2012年春季大会 生活産業のアジア展開 2012年3月31日(土) 東京大学 |
基調講演には経済産業省経済産業政策局長の石黒憲彦氏が登壇される。経済産業省にて多くの要職を歴任してきた同氏は、有名なDigital New
Deal(編集長:出口俊一)にて連載「志本主義のススメ」を続けておられ、これまでで既に177回掲載されている。同氏は「経済産業構造の転換と新たな産業創出へ」を題とし、その講演要旨を次のように公開している。 「我が国経済は、長期にわたって、我慢の企業経営と付加価値の低迷→労働所得の低下と将来不安→消費の低迷と期待成長率の低下→デフレの継続という縮小均衡の悪循環となっている。加えて直近では円高、政府債務の増大などのさらなるリスク要因を抱えている。こうしたリスクシナリオを克服しつつ現状 の『やせ我慢の経済』からいかにイノベーティブで付加価値のとれる『価値創造経済』への脱却を図るか、産業構造のあるべき姿、新産業創出のためのとるべき方策について考察する。」 特別講演者としてはアサヒグループホールディングス株式会社取締役兼執行役員古田土俊男氏、資生堂 中国事業部マーケティング開発部長大亀雅彦氏、アジアビジネス探索者、法政大学経営革新フォーラム21事務局長増田辰弘氏が確定しており、それぞれの立場から、「アサヒグループのアジアにおける事業展開について」、「(資生堂)中国市場における資生堂のマーケティング戦略」、「急速に変わるアジアのビジネスモデル」をテーマとして講演される。 ちなみに、昨年5月、資生堂の中国事業開始30周年の式典が北京飯店で行われた。式典の会場には「資生堂在中国30年」展覧コーナーが設けられ、「夢をかなえる人材育成プロジェクト」の始動も式典で発表された。また、昨年の6月に、アサヒは、「海外比率を現在の7%から20〜30%に上げるというのが2015年までの目標だ。今期、海外はやっと営業利益が黒字化する見通し。目標達成には海外売上高を現在の4倍、4000億円まで増やす必要がある。投資優先順位は酒類、次に飲料と決めている。地域は、中国を含むアジア、オセアニアだ。」と発表している。 資生堂の中国進出と成功の秘策とは何か、アサヒの「生」で攻める戦略とは何か等、日本生活産業のアジア展開に関し、リーダー企業の知られざる物語、及びビジネスモデルを考える上でのヒントなどを聞ける滅多にない機会かと思われるので、ご関心を持たれる方はぜひ早めに学会サイトへご登録下さい。 |
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