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 Q&A


ビジネスモデル「探険」談 By 張 輝
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第35回 多彩なビジネスモデルに共通するものはないか


 2015年11月13日夜7時、立教大学大学院独立研究科(立教大学ビジネススクール)のある教室で、筆者が担当する「ビジネスモデル論入門」を履修している社会人大学院生の皆さんは、各自の調査研究による第2回目のプレゼンテーションが始まった。

 さまざまな業界で活躍されている社会人院生の皆さんは、小売、タクシー、動物保険、ゲーム、高齢者雇用、工芸品などを対象業界とする事例や、トヨタ、リクルート、楽天、ユニクロ、伊藤園、東京ディズニー、Tesla Motors などといった日米の有名企業を事例にして、実に多彩なテーマであり、細心な準備の結果を披露してた。なお、いくつかの事例紹介は私にとってもよい勉強になった。

 今年度の履修者によるプレゼンには、@比較的にB to Cの事例が多いこと、A時代の流れが感じられること、B読みやすいPPTが作成され、話の達人?が多数居ること、Cテーマ/事例の選定や切口がよかったこと、Dもちろん社会人経験を持つ留学生4名もよーくできたこと、といった特徴が見られる。

 最後に、「皆さんが1回目の時に記入したアンケート上の要望に対し、講義では、かならずそのすべてに答えたわけでもない、とのこともありまして、今後も、何かありましたら、遠慮なく連絡して下さい。ぜひ、皆さんの手で、新しいビジネスモデルを創り出してください。」と結語した。

 出来るだけ繋がるように発表の順番を設定し、コメントを最小限にして、時間通りに終了させたかったが、みなさんの熱意は時限を越える。前回同様、今回は思わず22時までオーバーしてしまったが、みなさんの笑顔、よかった。帰りの時に嬉しいことに、経由した大手町駅でもクリスマスツリーが登場した。



 今年度の「ビジネスモデル論入門」に関する講義概要では次のように明記している。

 まず、本授業の目標としては、「今日,事業プランの策定や新規事業の立ち上げ,またビジネスシミュレーションなどには,ビジネスモデルの構想が不可欠だという認識は日々広がれている。本授業はビジネスモデルの意味,構造化及び実学的アプローチについて考える。」としている。

 次に、本授業の内容の要旨としては、「日本企業はビジネスモデルの転換を加速化しなければならない,と言われる中,ビジネスモデルをめぐる主な議論や多彩な事例を俯瞰し,真の顧客価値とは,提供業務のプロセスとは,必要な経営資源とは,収益モデルとは,について順次紹介し議論する。」としている。

 最後に、「具体的には講義形式ではなく,基本的な紹介,説明及び視点の提示以外,主に質疑応答やディスカッションを通じて講義のポイントについて共に考えていく。受講者には1回の調査発表をしてもらう。」としている。

 院生各位の調査研究によるプレゼンは、この「1回の調査発表」に当たるものであるが、日々所属先での実務などに呑み込まれそうに忙しく取り組みながらも、毎年、真剣に事例を調べ、分析や整理を行い、ポイントをつかんで資料を作成し、発表において私見を述べる院生達の姿に出会うと、心から評価したくなる。

 以前も述べたが、世の中には、類型化しきれないほど多彩なビジネスモデルが存在しており、これらは時代の流れに沿って変身してゆくものである。顧客にとっていまなお未解決の真の課題とは何か、について発見し、見えない本当の価値をどのように創出していくか、が重要であることを改めて実感してもらった一時になった、といえよう。

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