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<感謝の言葉> By 張 輝 (実行委員長)
2012年5月5日
去る2012年3月31日、ビジネスモデル学会2012年春季大会が、東京大学工学部ホールにて開催された。当日の様子については、実況中継的なドキュメンタリーとして、 臨場感の溢れ出す
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を参照されたい。ここでは、個人的感想も交えながら、実行委員長を務めた筆者としての御礼の言葉を述べたい。
第一に、講演者やパネリストの方々に対し御礼を申し上げたい。
申し上げることもなく、このような大会が成功を迎えられるかどうかは、まず期待される講演者やパネリストの方々がどれほど居られるか、とのことによる部分が大きいと言えよう。学会関係者は別として、経済産業省経済産業政策局長の石黒憲彦氏をはじめ、アサヒグループホールディングス株式会社取締役兼執行役員の古田土俊男氏、株式会社資生堂中国事業部マーケティング開発部長の大亀雅彦氏、アジアビジネス探索者、法政大学経営革新フォーラム21事務局長の増田辰弘氏、中国ジャーナリストの姫田小夏氏も、非常に多忙な方々でいらっしゃるにも関わらず、学会からの講演依頼に対し、快諾して頂いた。
石黒氏は基調講演として、「日本経済の現状と課題、今後の施策の方向性、具体的な対応策」を要目にし、まさに当日の大会テーマを考えるうえで重要となる時代的認識や位置づけ、また関連の視点や視座を提供して頂いたと感じており、「リスクシナリオ」に対する「守りと攻めの空洞化対策」は具体的な、政策的なソリューションとして提示し解説して頂いた。同氏の力強い講演は来場者の心を強くしたのではないか、と筆者は感じる。
特別講演として、古田土氏には、「アジアでは『生』で攻める」と伝えられてきたアサヒグループの「アジアにおける事業展開」について、大亀氏には、「一瞬も一生も美しく」というコーポレートメッセージを説明し、中国市場における「資生堂のマーケティング戦略」について、それぞれの実例を用いて解りやすく具体的に紹介して頂いた。続いて、増田氏には毎月一度アジア諸国に出かけられた多彩な実体験から、アジアのビジネスモデルは急速に変わるであろう、と力説を展開して頂いた。
石黒憲彦氏
定番のパネルディスカッションでは、増田氏のほか、姫田氏や学会運営委員の出口氏にも登場して頂いたうえ、いつものように、学会長の松島氏がモデレーターを務めて頂いた。会場参加者とのディスカッションも重視する進行は
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で魅力的に描写されている通りだが、東京都出身、上海在住で、「ダイヤモンド・オンライン」等で現地情報を発信続けている姫田氏のコメントも、実に的確で明快であると実感した。
第二に、発表者、参加者や質問者の方々に対し御礼を申し上げたい。
今年の春季大会でも、学会員による研究発表のタイムが設けられた。@「グローバル販売網における在庫の可視化を用いた経営モデルの研究」(東京大学: 松島和史、田中謙司)、A「開発途上国における電化事業のビジネスモデル評価」(東京大学: 新井元行、田中謙司、Bagheri Behgol、阿部力也、茂木源人)、及びB「電気自動車業界の発展に向けたビジネスモデルの創出と功績」(慶応義塾大学: 椎木衛、清水浩、株式会社ベネッセホールディングス: 福武總一郎)は、厳選のうえ選ばれた研究成果であり、学会運営委員の藤田氏による司会のもとで順に発表され、活発な質疑応答を誘った。
春季大会は、年度末の忙しい時期に、しかもあの日は突風が吹き、雨が降るという悪天候の中での開催にも関わらず、日本各地各界から129名の方々が来場された。基調講演、特別講演、学会員による研究発表、パネルディスカッションの順に、参加者の方々には聞いて頂いただけではなく、鋭い質疑や指摘をして頂いたり、貴重なコメントをして頂いた、実に充実な一日となった。
講演に熱心に聞く参加者
大会参加者に記入して頂いた74名のアンケートからは、「経産省の石黒氏の講演を直接拝聴できて大変満足で、とても興味深く面白かった。」「日本企業のアジアビジネスモデルやリーディングカンパニーの動向等は大変参考になった。」「現在抱えている課題の解決につながるヒントが発表、講演の中から見出すことができた。」「形式ばった学会ではなく、アットホームな話し合いが可能な学会と実感した。」など、好評するコメントが多数寄せられていた。他方、「企業の紹介時間が少し長く、成功や困難の体験等の話があまり十分でなかったと思う。」「日本のおもてなしは聞こえは良いが、情緒的であり、人海戦術である。競争力があるとはいえない。」「パワポ資料が多く盛り沢山で、文字が細かく判読できない。」など、指摘する意見も解った。
皆さんからの好評や意見こそ、参加者に愛されるよりよい大会の開催の原動力になる、と筆者は思うし、今年の春季大会は終了したが、当学会への意見等はいつでも事務局へご連絡をお願いしたい。
パネルディスカッションのワンシーン
第三に、運営委員メンバーの方々に対し御礼を申し上げたい。
このようなことはここで書くべきものではないと思われるかもしれないが、筆者はあえて簡単ながら、学会運営委員メンバーの方々に対しての御礼もここに記したい。
思えば、昨年末、いつものように学会運営委員会での議論の結果、運営委員各位の知見に基づき、本春季大会のテーマが決まった。そして、今年1月下旬から、運営委員会代表幹事の中谷さん、運営委員の林田さん、出口さんとともに、石黒氏、古田土氏、大亀氏、増田氏等の方々に講演依頼をしてきた。その後、講演者の方々からのご協力等を頂いて、講演テーマや内容が固まりつつ、学会公式サイトをはじめ、運営委員による多様なネットワークやツールを通じて、周知し続けてきた。出口さんには周知動員、カメラマン対応、パネリストといった複数の大役を務めて頂いたように、ビジネスモデル学会はいつも、真に「全員野球」というか、「チームワーク」に支えられたお陰で毎回の大会を成功させたといえる。
講演者を推薦や紹介して頂いた運営委員、訪問や打合せなど様々な場面で協力して頂いた運営委員、直前まで重責に取り組み、急用で来られなかった運営委員、解りやすい説明で多彩な参加者を誘って頂いた運営委員、久しぶりに来て素早く会場システムの準備に加わった運営委員、突風の中で大会会場への道案内をして頂いた運営委員、早朝から会場にて準備を実行し、お昼も食べずに周到なサポートをし続けた事務局関係者の皆さんに、本当に有難うございました。
春季大会の見える部分以外、その裏で支えて頂いた運営委員の方々の「阿吽の呼吸」、いいえ、これこそ松島会長が創設されたビジネスモデル学会の「絆」という重要なDNAではないかと感じるが、この大会の「絆」を大切にし、人生の「宝」の一つにしたいと筆者は考える。皆さん、本当に有難うございました。大変、お疲れ様でした!
(左)大会事務局関係者 (右)講演者一部と学会役員
最後になるが、経済財政諮問会議の下で設置された「生活産業創出研究会」は丁度遡って10年前の2002年だった。なぜいま、生活産業なのか、なぜアジア展開なのか、沸騰するアジアのパワーを活かすビジネスモデルのあり方はどのようなものか・・・。2012年春季大会は各地各界から沢山の方々に来場して頂いた中で有意義に終了したが、例年同様、今年の10月には秋季大会が開催される予定であるほか、2月にスタートしたイブニングセッションは2ヶ月置きに開催され続けていく予定である。今後、何かどこかでの再会を心より期待したいものである。
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