JCTBFと
上海技術取引所
と戦略的提携
に調印

現地の風 > 特集・連載等 > 特別シリーズA 中国技術取引市場入門


 

 わが国の関係者にとってはなかなか馴染みが無いが、今日、中国における技術取引(技術移転)は、その実施主体を組織系統からみた場合、技術移転センター、技術成果普及センター、技術取引所、産権取引所(財産権取引所)、技術産権取引所(技術財産権取引所)、聯合産権取引所(連合財産権取引所)、知的財産権取引所などといった、さまざまな系統が存在し、これらを通じて多様な技術取引がなされている。

 これらの実施主体に対して、@法人格の種別で見る、A会員制であるかどうかで見る、B技術移転を専業としているかどうかで見る、C技術を含む知的財産取引に取り組んでいるかどうかで見る、というように、複数の角度からある程度分類することは不可能ではない。しかし、実態としてはそれぞれの項目が非常に複雑に絡み合っているのが現状である。

 中国初、且つ国家レベルの常設技術取引機構である「上海技術取引所」のような「技術取引所」(原語「技術交易所」)などは、中国における技術市場の形成や産学官連携の構築などを目的として設立されたものであり、研究機関等からの技術流通を促進し加速させる役割を担っている。



中国初の国家レベルの常設技術取引所
上海技術取引所がJCTBFとの戦略的な提携協定に調印
20100423 (C) JCTBF事務局

 これに対し、「産権取引所」(原語「産権交易所」。邦訳すると「財産権取引所」)と呼ばれる実施主体は、国立研究機関や大型国有企業の民営化という別の大きな流れの中で、国有資産である技術の不法な流失を防ぎつつ、技術移転等を適切に行うために設立された組織がその源泉である。

 更に、「技術産権取引所」(原語「技術産権交易所」)は、各地域の科学技術機関と国有資産管理機関が共同で設立したものなど、実に多様な形態があり、特に国立研究機関や大型国有企業にある技術を何らかの形で財産権にして取引させるために設立された組織である。また、「聯合産権取引所」(聯合財産権取引所)は、さまざまな事情から、全国各地にあった40近くの技術産権取引所の一部が2004年頃までに各所在地の産権取引所と合併(連合)し、新たに設立された経緯を持っている。

 このようにさまざまな系統を含む中で、一部の組織が中国「国家技術移転モデル機構」として認定されており、2009年現在、その数は130数箇所に上っている。JCTBFは上海技術取引所や中国技術取引所などと包括的、戦略的な提携関係を有すると同時に、全国各地の国家技術移転モデル機構とのネットワークも構築している。

附: 国家技術移転モデル機構リスト
 
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