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  中国では地方レベルも含めたさまざまな「特区」は2008年2月現在でも3500以上あると言われている。「深[土へんに川]経済特区」は例示するまでもないが、技術関連でいえば「科技園区」、「高新技術産業開発区」、「経済技術開発区」、「高科技園区」、「新技術開発区」、「新技術産業開発実験区」、「大学科技園」などが例示できる。これらの用語は同義か異議かを整理することは中国のハイテク産業を正確に知る上で必要だと考える。



 ハイテク

  ハイテクとは中国語の「高新技術」の訳である。確かに、高技術=ハイテク、新技術=ニューテクと理解され、「ハイテク・ニューテク」と訳すことも可能であるが、実際、中国でいう「高新技術」は何が高技術=ハイテクか、何が新技術=ニューテクかについて基準が明示されていないし、公式な英訳表記では全部「Hi-Tech」となっている。ちなみに、中国では上記意味でのハイテクは「バイオ及び新医薬技術、新材料及び応用技術、先進的な製造技術、航空宇宙技術、海洋技術、原子力の応用技術、新エネルギーや省エネルギー技術、環境保護の新技術、現代的農業技術、その他の伝統的な産業の改造に応用可能な新技術等」といった諸分野を指している。

 ハイテク産業

  ハイテク産業とは中国語の「高新技術産業」の訳である。それを構成するものは前掲図1で示したように、ハイテク産業開発ゾーンのほか、大学サイエンスパーク、ソフトウェアパーク、重点実験室や研究センター、帰国留学人員創業パークやインキュベーター、ハイテク製品の輸出基地等である。2007年5月現在、国家ハイテク産業開発ゾーンは54となっているが、国家大学サイエンスパークは44、国家ソフトウェア産業基地は29、国家インキュベーターは135のほか、国家重点実験室、国家研究センターなども数多く存在する(上図参照)。

 ハイテク産業開発ゾーン(「ハイテク産業開発区」ともいう)

  ハイテク産業開発ゾーンは「高新技術産業開発区」や「高科技園区」などを含む訳語である。中国国家ハイテク産業開発ゾーンの中に、確かに北京中関村科技園区(Zhongguancun Science Park)、上海張江高科技園区(Shanghai Zhangjiang Hi-Tech Park)、武漢東湖新技術開発区(Wuhan East Lake Hi-Tech Development Zone)、大連高新技術産業園区(Dalian Hi-Tech Industrial Zone)といった標記も存在するが、ほとんどのハイテク産業開発ゾーンは地名+国家高新技術産業開発区(National Hi-Tech Industries Development Zone)という名称になっている。そのため、本サイトでは上記多様な標記を含む「国家ハイテク産業開発ゾーン」という統一した表現を用いる。


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