現在、西安国家ハイテク産業開発ゾーンは最大の経済増長のハイライト並びに対外開放の窓口の一つになっている。西安国家ハイテク産業開発ゾーンの発展は日系企業の貢献無しに語ることはできない。外資系企業の中では日系企業の進出は比較的早く、いまでは日系企業は50社以上進出しており、その投資は先端的製造業、ソフトウェア開発のようなハイテク産業分野に及んでいる。日系企業との連携は今後とも将来性を保てると確信している。現在の重点的な誘致分野を以下の通り例示する。
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同開発ゾーン招商二局池局長(左)と張担当マネジャー |
西安国家ハイテク産業開発ゾーンにおける電子情報産業は主に三つの部分からなる。すなわち、通信産業、半導体産業及びソフトウェア産業である。中興、華為、大唐など、中国では最も名の知られる通信インフラ設備のプロバイダーはみな西安国家ハイテク産業開発ゾーンに開発センターを設けており、中国聯通(チャイナユニコム)のような通信キャリアは陝西省本部を西安国家ハイテク産業開発ゾーンに置いている。また、宇竜通信という携帯電話のメーカーは工場を設けている。
マイクロン、Applied Materials、Infineon、Qimonda、ウィッシュなど、国際的に知名度の高い半導体のメーカーも西安国家ハイテク産業開発ゾーンに会社を設立した。いずれも西安国家ハイテク産業開発ゾーンを投資の「理想の地」として選定し、特にApplied
Materialsの投資額は2.55億ドルにも達し、陝西省が外資に市場開放して以来最も大きい外資プロジェクトとなった。
西安国家ハイテク産業開発ゾーンにおけるソフトウェアサービスアウトソーシングの発展は国内で比較的早いほうである。今までは国内最大の中国BPO(Business
Process Outsourcing)企業である炎興科技を育て、日本のNTT DATA、アメリカのエマーソン、チャイナデジタルを誘致して、BPO基地を設立した。これにより、西安は海外のマスコミに「中国のBPOの都」と呼ばれている。
陝西省は昔から中国の「天然薬局」、「生物DNAベース」、「漢方薬の古里」だと言われるほど、中国における重要な漢方薬の原材料の生産基地であり、いまでは漢方薬現代化産業基地である。
西安国家ハイテク産業開発ゾーンには医薬企業が220社あり、化学原材料と製剤の生産、漢方薬原材料の加工と漢方薬の製造、健康用品とバイオ製品の生産、医療機器の製造など、四つの分野に集中している。2006年、西安国家ハイテク産業開発ゾーンにおけるバイオ医薬品産業の総売上は234億元に達し、西安国家ハイテク産業開発ゾーンの柱産業の一つになったといえる。陝西省TOP10の医薬企業の中には西安国家ハイテク産業開発ゾーン内の企業が5社も入っている。
バイオ医薬品産業は年々規模を拡大し、売り上げが1億元を突破した企業が13社、上場企業が7社、輸出が500万ドルを超えた企業が4社となった。新薬の開発を重要視して、知的財産権は600件以上持っている。
西安国家ハイテク産業開発ゾーンのもう一つのメイン産業は製造業であり、コンプレッサー、中高圧電力設備、計測器、自動車及びその部品の製造等が含まれる。西安国家ハイテク産業開発ゾーンはすでに中国のコンプレッサーと電力設備製造の重要基地になっている。日本企業のダイキンは最も進出の早い企業の一つであり、東芝は近年現地企業と合弁会社を設立することに合意した。
また、最近ではファストとBYDを代表とする自動車産業が勢いよく発展しつつある。ファスト社が作るトラック用の変速機の台数は単体の工場としては世界のトップとなり、国内シェアの92%を占めている。BYD社のF3という車種は発売後すぐに売れることで有名な車のブランドとなった。このほか、世界で有名な部品のメーカーボッシュ、UAESもゾーン内で会社を設立している。
西安国家ハイテク産業開発ゾーンは中国西部の金融中心となることを目指して取り組んでいる。西安国家ハイテク産業開発ゾーンは産業の集積地であり、企業の本部が多く設置されているほか、一流の金融機関や各大手銀行の支店をも集めており、日々活発な金融業務が行われている。
中国人民銀行西安本店、中国銀行業監督管理委員会、中国証券業監督管理委員会、中国保険業監督管理委員会の陝西省監督管理局は何れも西安国家ハイテク産業開発ゾーンに位置している。近年、人民元の取り扱いが可能になったことに伴い、外資系銀行が中国内陸に進入するタイミングを迎えつつあり、香港の東亜銀行、イギリスのHSBCがすでに西安に拠点を作っている。 |